なるべくわかりやすい三国志

大好きな三国志についてなるべくわかりやすくまとめてみました。

三国志について③

前回は黄巾の乱何進(かしん)大将軍について書きましたのでその続きです。

何進大将軍は元々は肉屋でした。
ではなぜ肉屋の男が大将軍になれたのかというと、それは妹の存在にあります。
何進は肉屋で得たお金を賄賂として宦官(朝廷に仕えた者)に渡して、妹を妾として皇帝に差し出しました。
そこで当時の皇帝である霊帝何進の妹をいたく気に入り、結果的に子供を授かり、そのまま何皇后(かこうごう)となりました。
そして何皇后をコネとして彼は最終的に大将軍まで上り詰めたわけです。

霊帝が亡くなった時、その世継ぎとして名前が上がったのが何皇后の息子である劉辯(りゅうべん)と、第二夫人、王美人の息子である劉協(りゅうきょう)です。
ですが劉辯はボンクラ、劉協は優秀だったと言います。霊帝も死の淵で「ワシの跡目は劉協に」と言ったとか。
でもそれでは何進も何皇后も納得しません。
長男である劉辯を新しい皇帝にしようとします。でも反対勢力もいました。それが宦官達です。

当時力を持っていた宦官の集団は十常侍と呼ばれ、権力を傘に好き勝手やっていました。
その宦官達は劉協を次の皇帝にと考えます。
そのために邪魔な何進を暗殺せねばと。

暗殺計画は一度は失敗します。
そこで何進は激怒。十常侍を皆殺しにしようとします。
でも色々あって中々ことが進みません。
そこで袁紹という男は何進にこう進言します。
「強い奴呼んでさ、まずは圧力かけちゃおうよ」と。
それは妙案だと何進黄巾の乱で名を挙げた董卓(とうたく)を都に呼び寄せるのです。

こういう流れで悪役董卓は都にやってくることとなったわけですね。

ちょっと難しいですが、時代は後漢の皇帝であった霊帝の死をきっかけに、その跡目争いから一気に動きだします。

続きはまた次の機会に。

三国志、登場人物紹介『貂蝉』

貂蝉(ちょうせん)は三国志演義において重大な役割をもつ女性ですが武将ではありません。


ゲームなどでは武将として登場することが多いですが実際には戦いません。そもそもあんなに露出の高い服を着てお胸をぶるんぶるんさせて戦うわけがありません。

彼女は「董卓(とうたく)暗殺」のためだけに存在します。

簡単に説明しますと、董卓には呂布という猛将が仕えておりましたが、王允(おういん)という文官の策略として、董卓呂布どちらにも妻として義理の娘の貂蝉を差し出そうとするのです。かくして絶世の美女を取り合い、2人は仲違いし、董卓呂布に討ち取られてしまうと、こういう流れです(連環の計)。

ただしこれは三国志演義のお話で、実際には貂蝉は実在していなかったようです。
正史には「呂布董卓の侍女に手を出して、それがバレそうになったので王允に相談した。そしたら王允董卓を倒してしまいなさいと進言した」とあります。
要するに「ユー殺っちゃえYO!」と、王允がうまく呂布をのせたのです。
なんかあっけないお話しですよね。
悪名高き董卓の最後にしてはドラマティックに欠けています。

そこで物語として「貂蝉」という女性を登場させました。
お国の未来を案じ嘆く義父の願いを叶えるため、抱かれたくもない男に抱かれる。汚れ役ですよ。可哀想です。でもやり遂げます。お国や父親のために。すごく強い女性です。
一気にドラマティックな話になりますよね。
そういうことです。

不思議な話ですが、貂蝉は実在しないのに、なぜか古代中国の四大美人に入っています。
それだけ民衆から人気があるのです。
今も昔も物語にはヒロインは不可欠であり、それが悲劇な役割であればあるほど感情移入できると、まぁそういうことなわけですね。

ちなみに貂蝉については、もともとブサイクだったけど華佗という人物が首を取り替えたとか、曹操関羽が妻に欲しがったとか、捕まって呂布の悪口を言う貂蝉関羽がムカついて斬ったとか、色々なエピソードも存在しています。
面白いですよね。

三国志について②

今日は三国志の始まりについて。

三国志のお話になると必ず最初に出てくるのが「黄巾の乱」ですね。
ではこの黄巾の乱とは一体なんぞやということになるわけですが、

簡単に言いますと庶民の反乱です。

朝廷に対して不満を持つ人達が団結して反乱を起こした、そう思っていただければ良いと思います。


ちなみにゲームや漫画、小説などでは妖術使いの張角が出てきますけど、実際は妖術なんて使いません(当たり前か)。
張角とは反政府軍のただのリーダーだと思って下さい。
当時の朝廷はやりたい放題で民衆は圧政に苦しんでおりました。そこで朝廷を倒すべく蜂起したのが張角です。


三国志演義では張角は「太平道」という新興宗教を作り信者をたくさん集めます。その数は数十万にもなったと言います。


彼らは目印として頭に黄色の布を巻きました。
そう、これが黄巾の乱の由来です。
頭に黄色の布を巻いた信者達が各地で反乱を起こしたのです。
ちなみに黄巾の乱は中国史上初の組織的農民反乱と言われています。歴史的にも大切な事柄なんですね。

大雑把にいうとこの反乱は失敗に終わります。
朝廷は何進(かしん)大将軍を筆頭に鎮圧を試みますが、朝廷側には人材が不足しておりました。そこで朝廷は義勇兵を募ります。
三国志演義ではこの義勇軍として劉備関羽張飛が登場します。それから曹操孫堅もここで台頭し活躍をするのです。
要するに黄巾の乱があったからこそ、これらの英雄が世の中に出てきたと、そういうわけです。
物語を語る上でそういう大事なきっかけになるんですね。


実際には黄巾の乱はすぐに鎮圧されてしまいます。

なぜならリーダーである張角が病死してしまうからでした。

リーダーが不在となった反乱軍はあっという間に力を失い、幹部も次々と討ち取られたこともあり、黄巾軍は壊滅してしまったのです。


はい、ここで一つ気になることを述べますが、黄巾の乱は腐敗した朝廷に不満を持つ農民達の反乱でしたね。

と言うことはですよ、どちらが正義なのかという話になるわけですよ。


朝廷は腐敗しています。宦官や重臣たちは賄賂や不正が当たり前。そして民衆には苛政を強いていました。

それに反乱したわけですからね、普通に考えれば張角は善い者です。ヒーローです。逆に当時の皇帝である霊帝何進大将軍は悪者です。ヒールです。

ですが張角率いる反乱軍は黄巾賊と呼ばれ、物語の中でも悪者扱いです。

それはなぜか?


黄巾の乱が鎮圧されて反乱軍はなくなりました。ですが残された残党は数多くいました。

そしてその残党達はあちらこちらに逃げて、そこで山賊や盗賊として生計を立てるようになりました。

そうです、横山光輝三国志の1巻にあるように、黄巾賊は村を襲い食べ物や金目の物を奪うようになってしまったのです。


最初は庶民のために立ち上がった人達が、結局は庶民を食い物にする盗賊になってしまいました。

こうなってしまえばいくら大義名分があろうとも悪です。大悪です。

だからそれを討伐した曹操孫堅劉備らは正義のヒーローです。

腐敗している朝廷側として戦った曹操孫堅劉備ですが、結局はヒーローとして描くことができたのです。


さてさて、こうして黄巾の乱が終わり、物語は次のステージへ向かいます。


はい、当時の皇帝である霊帝が亡くなってしまうのです。
そのため次の皇帝を決めるべく跡目争いが起きます。

それには先ほどの何進大将軍が絡んでくるのですが、結局はこれが漢王朝の崩壊のきっかけとなるのです。

知らない人も多いと思いますが、この後の群雄割拠の時代を引き起こす重大なキーパーソンがこの何進大将軍です。

彼についてはまた今度にしましょうか。

三国志について①

私は三国志が好きです。
なのでなるべくわかりやすく三国志についてのお話しをしたいと思います。
興味のない方は読まないで下さいね。

まず三国志とは何かと言えば、中国の後漢末期から三国時代にかけて群雄割拠していた時代の興亡史である、とWikipedia
簡単に言えば、西暦200年くらいに中国が3つの国に分かれて戦っていました、その歴史書ですよって事ですね。

今巷で流行っている漫画「キングダム」は秦の始皇帝のお話しです。
そして始皇帝の死後、ほどなくして秦は滅亡します。その秦に変わり天下を争ったのが項羽と劉邦です。そこで出てくる四面楚歌は有名な言葉ですね。
項羽が敗れ、劉邦が勝ち、そこから漢の時代が始まります。いわゆる前漢の時代です。
なぜ前漢後漢に分かれているのかというと、実は西暦8年に一度滅びているからです。間に一度「新」という国が誕生しますが、これは悪政がたたりすぐに滅びます。その新を倒したのが前漢時代の皇族である劉秀で、彼は漢という国を再興したわけです。
そこを区別するために、劉秀(光武帝)が再興した国を後漢と呼びます。
その後漢の末期に三国で争っていた時代が三国志の舞台となります。

ちなみに三国志の志が歴史の史でないのは、「ココロザシを表している」からではありません。
この「志」は「誌」と同じ意味で、読み方は「シルす」、意味は「いろんなことを記したもの」という意味合いになります。

細かくいうとキリがないのでやめておきますが、厳格な歴史書と呼ぶことができない不完全なもの、と捉えてもらえれば良いと思います。
決してココロザシではありませんので、知らずに話すと恥をかくことになります。

ちなみに正式な三国志陳寿という人が書いた物で三国志正史と呼ばれます。逆に私たちがよく知る三国志は、それを基にして作られた小説「三国志演義」という物です。
だから孔明が風を起こしたというのは、小説三国志演義の中のただの作り話しということなんですね。

今日はここまで。
またいつか暇な時に続きを書きます(^^)
興味のある方はお楽しみにー!