なるべくわかりやすい三国志

大好きな三国志についてなるべくわかりやすくまとめてみました。

三国志について②

今日は三国志の始まりについて。

三国志のお話になると必ず最初に出てくるのが「黄巾の乱」ですね。
ではこの黄巾の乱とは一体なんぞやということになるわけですが、

簡単に言いますと庶民の反乱です。

朝廷に対して不満を持つ人達が団結して反乱を起こした、そう思っていただければ良いと思います。


ちなみにゲームや漫画、小説などでは妖術使いの張角が出てきますけど、実際は妖術なんて使いません(当たり前か)。
張角とは反政府軍のただのリーダーだと思って下さい。
当時の朝廷はやりたい放題で民衆は圧政に苦しんでおりました。そこで朝廷を倒すべく蜂起したのが張角です。


三国志演義では張角は「太平道」という新興宗教を作り信者をたくさん集めます。その数は数十万にもなったと言います。


彼らは目印として頭に黄色の布を巻きました。
そう、これが黄巾の乱の由来です。
頭に黄色の布を巻いた信者達が各地で反乱を起こしたのです。
ちなみに黄巾の乱は中国史上初の組織的農民反乱と言われています。歴史的にも大切な事柄なんですね。

大雑把にいうとこの反乱は失敗に終わります。
朝廷は何進(かしん)大将軍を筆頭に鎮圧を試みますが、朝廷側には人材が不足しておりました。そこで朝廷は義勇兵を募ります。
三国志演義ではこの義勇軍として劉備関羽張飛が登場します。それから曹操孫堅もここで台頭し活躍をするのです。
要するに黄巾の乱があったからこそ、これらの英雄が世の中に出てきたと、そういうわけです。
物語を語る上でそういう大事なきっかけになるんですね。


実際には黄巾の乱はすぐに鎮圧されてしまいます。

なぜならリーダーである張角が病死してしまうからでした。

リーダーが不在となった反乱軍はあっという間に力を失い、幹部も次々と討ち取られたこともあり、黄巾軍は壊滅してしまったのです。


はい、ここで一つ気になることを述べますが、黄巾の乱は腐敗した朝廷に不満を持つ農民達の反乱でしたね。

と言うことはですよ、どちらが正義なのかという話になるわけですよ。


朝廷は腐敗しています。宦官や重臣たちは賄賂や不正が当たり前。そして民衆には苛政を強いていました。

それに反乱したわけですからね、普通に考えれば張角は善い者です。ヒーローです。逆に当時の皇帝である霊帝何進大将軍は悪者です。ヒールです。

ですが張角率いる反乱軍は黄巾賊と呼ばれ、物語の中でも悪者扱いです。

それはなぜか?


黄巾の乱が鎮圧されて反乱軍はなくなりました。ですが残された残党は数多くいました。

そしてその残党達はあちらこちらに逃げて、そこで山賊や盗賊として生計を立てるようになりました。

そうです、横山光輝三国志の1巻にあるように、黄巾賊は村を襲い食べ物や金目の物を奪うようになってしまったのです。


最初は庶民のために立ち上がった人達が、結局は庶民を食い物にする盗賊になってしまいました。

こうなってしまえばいくら大義名分があろうとも悪です。大悪です。

だからそれを討伐した曹操孫堅劉備らは正義のヒーローです。

腐敗している朝廷側として戦った曹操孫堅劉備ですが、結局はヒーローとして描くことができたのです。


さてさて、こうして黄巾の乱が終わり、物語は次のステージへ向かいます。


はい、当時の皇帝である霊帝が亡くなってしまうのです。
そのため次の皇帝を決めるべく跡目争いが起きます。

それには先ほどの何進大将軍が絡んでくるのですが、結局はこれが漢王朝の崩壊のきっかけとなるのです。

知らない人も多いと思いますが、この後の群雄割拠の時代を引き起こす重大なキーパーソンがこの何進大将軍です。

彼についてはまた今度にしましょうか。